先日、マンション投資の電話がありました。別に珍しいことではないです。どういうルートで連絡先を入手しているのは何となく察しはつきますが、それはまあ良いです。
私は、マンション投資等も関わっている為、正直この手の内容には詳しい部類の人間です。建築の設計が専門ですが、不動産であったり投資であったり、建物を建てるニーズには様々な世の中の「都合」を知る必要があります。ゆえに、嫌な性格で申し訳ないですが、相手の実力を測ってみたいという好奇心もあり、場合によっては会話してみることがあります。
そんな折、ちょっと半ば強引な論法の方がいらっしゃり、私の知る限りでは一番「馬鹿だなぁ」と思ってしまう分類なのですが、ちょっと調べてみると、そうした強引な戦法によって逆に恐怖心から対応してしまう方もいるようで、今回記事にしました。
断ることは悪くない
今回の記事では、断る相手に対して強引に勧誘することが違法であることを明確化します。
この手の営業電話は、マンション投資・経営と称してきますが、つまりはマンション購入の電話です。マンション購入といっても、自分で住まう部屋を購入するのではなく、購入したマンションを貸すことによる家賃収入によってローンを支払い、そこに発生する手数料等を電話した側が入手できるというものです。
購入した初年度若しくは翌年度(購入のタイミングによって異なる)は、不動産取得税や固定資産税、修繕積立費等の出費もある為、税金対策になるというメリットがあります。
但し、結局はお金を払い、それを将来的に回収するというストーリーですので、ある程度の年収がないとその月々に発生する金額を払えないことになり兼ねない為、その投資を始める側も知識が必要です。
さて、本題ですが、こうした不動産関係の取引においては、宅地建物取引業法という法律が適用されます。そして、この法律と合わせて宅地建物取引業法施行規則というものがあり、こちらに細かい内容の記載があります。
細かく解説するときりがないので、結論を述べます。
宅地建物取引業法の第47条の2第3項に、契約の締結に際して行ってはならない行為を国土交通省令で定めている旨が記載されており、
宅地建物取引業法施行規則の第16条の12第1項(二)欄に、当該契約を締結しない旨の意思を表示したにもかかわらず、当該勧誘を継続すること。と記載されています。
こうして法文で考えるとやや難しいですが、つまりハッキリと断ってるのに勧誘し続ける行為自体、法律によって禁止されているということです。因みにその他にも、深夜等迷惑な時間の電話、今すぐ決める等の決定する上での時間を与えないこと等も禁止されています。
今回のケース
今回の私の場合、「以前に電話をし、その時にまた掛けていいですよと言われたから電話を掛けている。断られたのに電話を掛けることは禁止されている。」という旨を伝えられました。突っ込みどころが満載なのですが(そんな電話掛かってきていないという事実もあり)、ここで一つ気を付けなくてはいけないことに気が付きました。
今回の電話で散々断っているのですが、それは一旦置いておき、例えば掛かってきている電話に対して「今は忙しいので。」等の電話を切る口実を伝えた場合、「ではまたお時間のある時によろしくお願いします」と相手が言ったとします。「はい、失礼します。」とこちらが切れば、相手にとっては、また電話を掛けてよいという事実が生まれるということです。
もちろん、そうなったとしても、私が冒頭で述べた通り不要の意思表示に対して継続して連絡することは法律違反ですので、別にだから何なのという話なのですが、怪しいと感じるならば最初からきっぱりと断るということが重要とお伝えします。
本当にしっかりとした会社さんで、マンション投資をビジネスとしている営業マンは、会話一つで違いがわかりますので、言い換えれば怪しいと思われたら負けなので、決して先ほどの例のような会話にはなりません。
あとがき、法律って本当に大事
あまりにも下手すぎる勧誘に、思わずネットで調べてしまいました。ですが、実はけっこうこのパターンは多いらしく、例えば取り次がないように部下に伝えている部長宛ての営業電話、なんと私の所属する組織でもあったそうです。
「相手の会社名、担当者名を確認すること」、そして「断っているのに電話してくることに対して法的違反の為、そういう措置が可能であること」、この2つがあれば、実際に訴えることは可能です。
建物の設計は、建築基準法やその施行規則、消防法、都市計画法等、挙げたらきりがないくらいの法律に縛られています。その環境に慣れているせいか、直接関係ないことに関しても法的にどうなの?という意識が出てしまい、その恩恵でこうしたケースも対応できるようになりました。倫理・道徳的にダメというジャンルも存在しますが、そもそも法的にダメ、という内容は知っておくと便利です。