非常にざっくりしたタイトルですが、照明計画を行う上でのルールというか、大切だなと思うことを纏めます。建築実務系の内容ですので、専門的表現を含む事をご容赦ください。
初めに、照明計画を考える前に、知っておいた方がよい知識が2つあるので、それを共有します。
1つめは、人の集中力に関して、照明のlxと色温度Kが関係性を持っているということです。エビデンスを深く調べたことはないですが、早稲田大学2016年度の卒業論文に近しいものがあります。
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余談ですが、この論文はweb上で簡単に見つけ出せます。(早稲田大学の論文はそうなのだろうか。)それもあってか、この論文を引き合いにリビング計画のアドバイザー的なポジションで宣伝している住宅設計企業がありました。中身は「んー、」といった感じですが、わかり易く伝えるという意味では、建物や空間を、より身近なものとして表現するひとつの手法なのかもしれません。でも、どうしてもポップなデザインで印象操作されている感じがして個人的に苦手です。家だって1000万以上は基本的にしますから、そんな高級な買い物、ポップに伝えられてもな~と感じてしまいます。ディベロッパーの高級マンション広告を見ても、それはそれで微妙なので(社内で怒られてしまうかもしれませんが。笑)、建築設計のブランディングはまだまだ発展途上という感じがします。
さて、照明と集中力がの話に戻りますが、照明計画は多少法的な縛りもありますが、一般には自由です。(実務設計上、企業相手であれば仕様に定められてる場合も多いですが。)
つまり、自由なものを設計する為には、設計のストーリー上、エビデンスに頼る場合があります。そして集中の相反をリラックスと仮に定義すれば、集中力と照明の関係性を認識すれば、居心地の良さの演出に繋がります。
先程紹介した論文も、そうした指標を評価する数値的な基準を根拠に(評価に用いた式の意味は理解してません。)、高色温度、高輝度が照明計画において最も集中力を高めると結論付けています。
これが1つ目の知識でした。
2つめの話です。今度は建築家である手塚貴晴氏の書籍(建築カタログだったか手で描くパースだったか忘れましたが。笑)の中で、著者の建築作品である「ふじようちえん」の照明計画について語っていました。その中で、色温度が高いほど、輝度も高くないと人は明るく感じない、という認識学ともいえる部分から、明るく快適に感じるためには、必ずしも高色温度、高輝度である必要はなく、低色温度、低輝度で照らして快適なら、どっちが省エネルギー的な観点から優位か、という部分がありました。
もちろん、省エネ性能で決めたいという意味ではなく、ろうそくという照明が実はなんとも機能的、という価値基準を示しながら、身の回りの照明計画を、ただ照らすのではなくもっと機能的に、身体に寄り添うように計画すべき、と伝えているんだと私は勝手に解釈しています。