建築設計の仕事とは?
建築を設計するってイメージが湧くでしょうか。
「図面描く感じ?」そんなイメージだと思います。
本記事では、その仕事、つまり業務内容について紹介します。
ただし、実は建築設計とはかなり広い意味があるので、その片鱗でも伝えられればと思います。
建築設計の仕事とは、大きく分けて2つです。
1つ目は図面を描くこと!
イメージ段階のスケッチから、お客さんの要望等も聞きながら、それを実際に建てる為の図面を作成します。
図面の種類もかなりの数があるので、
図面の種類については、別の記事で紹介します。
2つ目は、計画している建物の法的側面を確認すること!
ここが、いわゆる実務業務としての難しいかつ避けては通れない部分です。
建築には、建築基準法という法律がありますが、そこから派生して様々な法律の中で計画する必要があります。
また、建物を建てる地域毎の法律が定められている為、
その法律に合致できているかどうかを確認します。
法律に明記されていない部分で疑問点があれば、実際に役所に行って打合せを行います。
この調整業務を行って、やっと「建物ってくつくるの大変だなあ。」と実感するものです。
図面を描く、法的側面を調整する、これが建築設計の主な仕事になります。
建築設計者のチーム分け
1つの建物に対して、チームを分けて設計業務を行うことが一般的です。
3つのチームで動くことが多いので、紹介します。
①意匠設計
意匠設計は、建物の目に見えるもの全般を計画します。
外観のデザイン、内装のデザインだけでなく、敷地のどの位置に建物が存在すべきか、入口はどこにあるべきか、どんな部屋が必要か、どの程度の規模の建物にするか等、この全てが意匠設計設計者に委ねられます。
言い換えると、建物ができました!という言葉で一般にイメージできるものは、全て意匠設計者が計画しているといっても、過言ではありません。
②構造設計
構造設計は、建物の骨組みを設計します。
意匠設計者が、「こんな感じの建物にする。」という案を構造設計者に渡したら、
構造設計者は、その建物の柱の大きさ、梁の大きさや位置、地震に対してどんな強度を持つか、風に対してどんな強度を持つか、地盤の状況は問題ないか等、建物の強度と呼べる部分を設計します。
特に、日本は地震のある国ですので、構造設計者の考え方や工夫は、様々な場面で見受けられます。
③設備設計
建物のデザイン、フレームだけでは建築家設計は終わりません。
人は呼吸によって二酸化炭素を出しますよね?
ということは、建物が完全に密閉されていては酸素を取り入れられなくなってしまうので、換気を行っています。
換気や、空調、手洗い等の衛生、照明やコンセント等を扱うのが、設備設計です。
建物を使う時に、蛇口を捻れば水が出ますし、コンセントからは電気が供給されます。
こうした当たり前も、実は設備設計者が建物のどこからどこに水や電気、空気等を送るかをしっかりと計画しているから成り立っています。
この3種類の設計者の存在を人の身体に例えて、
人の見た目そのものが意匠設計、
人の骨・骨格が構造設計、
人の内蔵・循環器を設備設計、と言ったりしますが、
まさにその通りです。
それぞれに重要な役割があります。
実際の業務としては、その取りまとめや方針の判断は意匠設計者が行うことが通常ですので、
意匠設計者は、構造・設備関係の知識も求められます。
建築設計の仕事はつらい?
建築設計の仕事を行いたい場合、一般的に、高専を卒業するか大学の建築学科を卒業する必要があります。
これは、建築設計の登竜門である資格、一級建築士に受験資格が定められており、誰でも受験できるわけではないからです。
もちろん、世界的建築家の安藤忠雄さんをはじめ、絶対にそこを卒業していないとダメかと言われれば、様々なルートがありますのでダメではないです。
あくまでも、一般的な話しです。
さて、建築設計という仕事ですが、
基本的には仕事を辞めたくなることが1日3回あるくらいが普通。というスタンスで、私は考えています。
私は意匠設計者ですが、
関わる人数の多さ、膨大な専門知識に圧倒されます。
関わる人が多いということは、それだけ様々な意見が出てくる為、物事を自分自身が決めるというスタンスがないと、
ストレスに潰されてしまうと思います。
言い換えれば、言われた事をしっかりやるというスタンスでは、
仕事は終わらなくなります。
設計者は自分自身なので、自分が決める。その為には、人を説得できる色々な知識が必要になる。という感じです。
また、デザインという仕事の都合上、一定の時間内で必ず終えることは難しい為、残業も多くなりがちです。
働き方改革の時代ですので、色々と業務時間は見直されていますが、残業無い方が珍しいといった感じです。
それでもなお、建築設計を仕事にするの?
と言われてしまいそうですが、
逆に言えば、
さまざまな判断を自分でできる、
自分のデザインを目に見える形に残せる、
こういった喜びは、他の仕事とは一線を画していると思います。
どんな人に建築設計が向いているか。
は別の記事で紹介していますので、そちらもぜひご覧になってください。
建築設計という仕事の紹介は以上となります。
ここまで読み進めて頂き、ありがとうございました。